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ホワイトペーパー

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セクション 01

はじめに

Libraのミッションは「多くの人びとに力を与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」ことです。

このドキュメントでは、新しい分散型ブロックチェーン、価格変動率が小さい暗号通貨、およびスマートコントラクトに関して、私たちのプランの概要をお話しします。これらを組み合わせて、責任ある金融サービスイノベーションを実現する新しい機会の創出を目指します。

背景にある問題

インターネットの登場とモバイルブロードバンド接続の普及により、世界中の多くの人びとがあらゆる知識や情報に アクセスし、高品質な通信を利用し、安価で便利な多種多様のサービスを享受できるようになりました。$40程度の スマートフォンがあれば、これらのサービスに世界中のほぼどこからでもアクセスできます1。このような接続により、 より多くの人びとがファイナンシャルエコシステムにアクセスできるようになり、経済的エンパワーメントが促進さ れ ま し た 。さ ら に 、テ ク ノ ロ ジ ー 企 業 と 金 融 機 関 が 協 力 し て 、世 界 中 で 経 済 的 エ ン パ ワ ー メ ン ト を 高 め る た め の ソリューションを見つけてきました。一方で、世界の人口のかなりの部分がこの流れから取り残されています。世界中で 17億人の成人が従来の銀行を利用できず、金融システムの外にいます。10億人が携帯電話を持ち、約5億人がイン ターネットにアクセスできるにもかかわらずです2。

多くの人びとにとって、金融システムを構成しているサービスは、まるでインターネット以前の通信ネットワークのように 感じられます。20年前、ヨーロッパでテキストメッセージを送信する場合の平均価格は1件あたり16セントでした3。今や、 スマートフォンを持つ人は、基本のデータプランを使って世界中の誰とでも無料で通信できます。当時、通信価格は 高額ですが一律でした。一方、今日、金融サービスへのアクセスは、それを最も必要としている人びとにとって、コスト、 信頼性、そしてシームレスな送金能力の影響を受ける形で制限または規制されています。

世界中で、貧しい人ほど金融サービスを受けるのにより多くのお金を払っているのが現状です。一生懸命働いて得た収 入は送金や借越やATMの手数料に消えていきます。米国の給料日ローンでは年利が400%以上、100ドル借りるための 手数料が30ドルにものぼります4。既存の金融システムからはじき出されている人にその理由を尋ねると、「口座を 持たない」人びとは十分な資金がないこと、手数料が高額なことや予測できないこと、銀行までの距離、必要書類を 用意できないことなどを挙げます5。

ブロックチェーンと暗号通貨は、一部のアクセシビリティや信頼性の問題に対処できる可能性を秘めた固有の特性を いくつか持っています。その中でも、分散型ガバナンスはひとつの機関がネットワークを制御できないようにし、オープ ン型アクセスはインターネットに接続している人なら誰でも参加できるようにし、暗号化によるセキュリティは資金の 保全性を保ちます。

それにもかかわらず、既存のブロックチェーンシステムはまだ主流として受け入れられていません。既存のブロック チェーンや暗号通貨は、価格の乱高下やスケーラビリティの欠如が妨げになり、現在のところ価値の保存手段や交換媒体として円滑に機能せず、市場での利用が広まっていません。なかには、マネーロンダリング防止の有効性を 向上させるためのコンプライアンスや規制を改革する取り組みとは対照的に、既存のシステムを混乱させ規制を 回避することを狙っているプロジェクトもあります。私たちは、持続可能で安全かつ信頼できるフレームワークを 基盤として、この新しいシステムを構築するようにする唯一の方法は、さまざまな業界の規制団体や専門家を含む 金融セクターとの協力とイノベーションであると確信しています。そしてこのアプローチは、現在よりもさらに低コストで、 アクセスしやすく、互いにつながったグローバル金融システムの実現に向けて、大きな飛躍をもたらすことができます。

 

Libraが生み出す機会

共にこの取り組みを始めるにあたり、皆さんに私たちの考えをお伝えし、このイニシアティブから生み出したいコミュニティやエコシステムの方向性を定めたいと思います。

  • もっと多くの人が金融サービスや安価な資本を利用できるようにする必要がある、と私たちは考えます。
  • 人には合法的な労働の成果を自分でコントロールする生まれながらの権利がある、と私たちは考えます。
  • グローバルに、オープンに、瞬時に、かつ低コストで資金を移動できるようになれば、世界中で多大な経済機会が生まれ、商取引が増える、と私たちは考えます。
  • 人びとは次第に分散型ガバナンスを信頼するようになる、と私たちは考えます。
  • グローバル通貨と金融インフラは公共財としてデザインされ統治されるべきである、と私たちは考えます。
  • 私たちには全体として、金融包摂を推進し、倫理的な行為者を支援し、エコシステムを絶え間なく擁護する責任がある、と私たちは考えます。

セクション 02

Libraについて

世界は間違いなく信頼性の高いデジタル通貨とインフラを必要としています。組み合わせて「インターネット・オブ・ マネー」を実現できるようなものが求められています。

モバイルデバイスでの金融資産確保は、シンプルかつ直感的でなければなりません。テキストメッセージの送信や 写真のシェアと同じくらい簡単かつコスト効率良く、より安全に、また住んでいる場所や職業、所得にかかわらず、 世界のどこにでも送金できることが求められます。製品のイノベーションやエコシステムへの参入が増えれば、すべての 人にとって資本へのアクセスとコストのハードルが下がり、より多くの人が円滑に支払いを行えるようになります。

今こそブロックチェーン技術を基に新しいデジタル通貨を開発するときです。Libraのミッションは「多くの人びとに力を 与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」ことです。Libraは以下の3つのパートから なり、それらが互いに機能し合って、いっそうの金融包摂を実現します。

  1. 安全でスケーラブルで信頼性の高いブロックチェーンを基盤とする
  2. 実態価値を付与するための資産のリザーブを裏付けとする
  3. エコシステムの発展を目指す独立したLibra協会がLibraを運営する

Libra 通貨の基盤は「Libraブロックチェーン」です。全世界のオーディエンスに対応することを意図しているため、 Libra ブロックチェーンを実装するソフトウェアはオープンソースです。つまり、これをベースに誰もが開発を行うこと ができ、多くの人びとがこれを利用して金融ニーズを満たせるようになっています。オープンで相互利用可能な多種 多様の金融サービスからなるエコシステムを想像してみてください。開発者や組織が開発するこれらのサービスは、 個人やビジネスがLibraの所有や移動に日常的に利用できます。スマートフォンやワイヤレスデータ通信の普及に伴い、 ますます多くの人びとがこれらの新しいサービスを通じてオンラインでLibraにアクセスできるようになるでしょう。 Libraエコシステムでいずれこのビジョンを実現するために、スケーラビリティ、セキュリティ、ストレージとスループットの 効率性、そして将来の適応性を優先して、専用のブロックチェーンが一から開発されました。Libraブロックチェーンの 概要についてはこの続きやこちらの技術文書をお読みください。

通貨の単位は「Libra」です。Libraは多くの場所で取り扱われ、簡単に利用できる通貨になることを目指しています。 そのためにはLibraが便利で、長期的にも価値が比較的安定した通貨として信頼を得る必要があります。多くの 暗号通貨とは異なり、Libraには実在する資産のリザーブによる確実な裏付けがあります。生み出されるすべての Libraに対してLibraリザーブで銀行預金や短期国債のバスケットを保有し、Libraの実態価値への信頼を築きます。 Libraリザーブは、長期的にLibraの価値を維持することを目的に運用されます。Libraおよびリザーブの概要に ついてはこの続きをお読みください。また、詳細はこちらをお読みください。

Libra協会は、独立・非営利・メンバー制の組織で、スイスのジュネーブに本部を置きます。この協会の目的は、Libra ネットワークとリザーブのガバナンスの枠組みを提供し調整すること、および金融包摂を促す社会的事業の助成金 活動を支援することです。このホワイトペーパーは、協会のミッション、ビジョン、活動を反映するものです。協会の メンバーは、Libraブロックチェーンを運用するバリデータノードのネットワークから形成されます。

Libra協会のメンバーは、さまざまな地域に拠点を置く多様な企業、非営利組織や多国間組織、学術機関などで 構成されます。初期メンバーとして協力して協会の設立趣意書をまとめ、完成後に「創立者」となる組織は以下の とおりです(業界別)。

  • 決済: Mastercard, Mercado Pago, PayPal, PayU (Naspers' fintech arm), Stripe, Visa
  • テクノロジー・マーケットプレイス: Booking Holdings, eBay, Facebook/Calibra, Farfetch, Lyft, Spotify AB, Uber Technologies, Inc.
  • 電気通信: Iliad, Vodafone Group
  • ブロックチェーン: Anchorage, Bison Trails, Coinbase, Inc., Xapo Holdings Limited
  • ベンチャーキャピタル: Andreessen Horowitz, Breakthrough Initiatives, Ribbit Capital, Thrive Capital, Union Square Ventures
  • 非営利組織、多国間組織、学術機関: Creative Destruction Lab, Kiva, Mercy Corps, Women's World Banking

Libra協会のメンバーは、2020年前半に予定されている運用開始により、およそ100に増える見込みです。

Facebookチームは、他の創立者と協力してLibra協会およびLibraブロックチェーンを生み出すうえで重要な役割を 果たしました。最終的な意思決定の権限は協会にありますが、Facebookは2019年の残りの期間も引き続き指導 的な役割を果たしていくでしょう。Facebookは、ソーシャルデータと財務データの分離を保証することと、Facebookの 代わりにLibraネットワークをベースにしたサービスを開発・運営することを目的として、「Calibra」という規制対象子 会社を設立しました。

Libraネットワークの運用開始後は、Facebookとその関連会社の責任や、特権、財務上の義務は他の創立者と 同等になります。協会のガバナンスにおけるFacebookの役割も、協会のいちメンバーとして、他の多くのメンバーの 役割と等しくなります。

ブロックチェーンは、バリデータノードとして参加する能力の有無に応じて、許可型または非許可型に分けられます。 「許可型ブロックチェーン」では、アクセスが許可されるとバリデータノードを運営できます。「非許可型ブロックチェ ーン」では、技術的要件を満たす人なら誰でもバリデータノードを運営できます。Libraは「許可型」ブロックチェーンと してスタートします。

Libraがオープンで常にユーザーの利益のために運用されることを保証するため、私たちはLibraネットワークを完全に 「非許可型」にするという目標を掲げています。課題は、現在のところ、非許可型のネットワークを通じて世界中で 数十億の人びとと彼らの取引をサポートするのに必要なスケールと安定性とセキュリティを提供できる実績の あるソリューションがないという点です。協会の使命のひとつは、Libraブロックチェーンとエコシステムの公開から5年

以内にこの移行を開始できるよう、コミュニティと連携して調査と移行の実施を進めることです。

Libraの精神に不可欠なLibraブロックチェーンは、許可型か非許可型かにかかわらず、消費者、開発者、企業を はじめ、誰にでもオープンなものとして維持されます。誰もがLibraネットワークを利用し、その上に製品を構築し、 サービスを通して付加価値を生むことができます。オープンアクセスにより、参入と革新への障壁は確実に取り除かれ、 消費者に利益をもたらす健全な競争が促進されます。その根底には、包摂的な金融サービスの選択肢をグローバルな 規模で構築するという目標があります。

セクション 03

Libraブロックチェーン

Libraブロックチェーンの目標は、多くの人びとの日々のファイナンシャルニーズを満たすような新しいグローバル通貨を はじめとするさまざまな金融サービスのための、強固な基盤を提供することです。既存の選択肢を評価する過程で、 私たちは以下の3つの要件に基づき新しいブロックチェーンを開発することを決めました。

  • 数十億のアカウントに対応できるスケーラビリティ。特に、高い取引スループット、低遅延性、効率的で容量の 大きいストレージシステムが必要
  • 堅固なセキュリティ。資金や財務情報の安全を確保するため。
  • 柔軟性。Libraエコシステムのガバナンスを可能にすると共に、金融サービスのさらなるイノベーションを可能にするため。

Libraブロックチェーンは、これらの要件に総合的に応えるために一からデザインされ、既存のプロジェクトや調査 研究から得られた知見を取り入れています。革新的なアプローチと十分に理解の進んだ技術を組み合わせて生み 出されたのです。次のセクションでは、Libraブロックチェーンに関する3つの決定について詳しく取り上げます。

  1. プログラミング言語「Move」をデザインし、使用する
  2. ビザンチン・フォールト・トレランス(BFT)合意アプローチを使用する
  3. 広く採用されているブロックチェーンデータ構造を採用する

「Move」は、Libraブロックチェーンに独自の取引ロジックや「スマートコントラクト」を実装するための新しいプログ ラミング言語です。いずれ多くの人びとにサービスを提供するというLibraの目標を達成するため、Moveは安全とセ キュリティを最優先に設計されています。Moveは、これまでにスマートコントラクトに関連して起きたセキュリティの 問題を分析して、作者の意図を実現するコードをより簡単に書けるようにする言語を作り出し、意図しない不具合や セキュリティ問題の発生リスクを抑えます。具体的には、Moveは資産がコピーされるのを防ぐようデザインされてい ます。「リソースタイプ」を有効にして、デジタル資産に物理的な資産と同じ制約を持たせるようにします。つまり、リソ ースの所有者を1人、使用回数は1回に限定し、新しいリソースの作成を制限することが可能になります。Move言語 では、支払い取引では支払人と受取人の口座残高のみが変更されるなど、取引が特定の条件を満たすことを自動で 証明することも容易にできます。これらの機能を優先することで、MoveはLibraブロックチェーンの安全を確保します。 重要な取引コードの開発を容易にすることで、MoveはLibra通貨やバリデータノードネットワークの管理など、Libra エコシステムのガバナンスポリシーを安全に実施できるようにします。MoveはLibraブロックチェーンプロトコルとそ れをベースに開発される金融イノベーションの進化を加速させます。Moveの進化と検証を支援するため、開発者が コントラクトを作成するための機能を徐々に利用できるようにしていきます。

取引の実行と実行される順序についてすべてのバリデータノードによる合意を容易にするため、Libraブロック チェーンではLibraBFT合意プロトコルを使用したBFTアプローチを採用しました。このアプローチはネットワークへの 信頼を築くものです。なぜなら、BTF合意プロトコルは、一部のバリデータノード(最大でネットワークの3分の1)で 不正や不具合が起きても正常に機能するようにデザインされているからです。また、このクラスの合意プロトコルは、 他のブロックチェーンで使われている「プルーフ・オブ・ワーク」よりも高い取引スループット、低遅延性、エネルギー 効率の良い合意形成アプローチを可能にします。

取引情報を安全に保存するため、Libraブロックチェーンのデータはマークル木によって保護されます。マークル木は 既存データへの変更を検出できるデータ構造で、他のブロックチェーンでも使用されています。ブロックチェーンを 取引のブロックの集合体とみなす既存のブロックチェーンとは異なり、Libraブロックチェーンは取引の履歴と経時 的な状況を記録する単一のデータ構造をとります。これにより、ブロックチェーンにアクセスするアプリケーションの 動作を簡略化できるため、任意のデータを任意の時点から読み、統一されたフレームワークを使用してそのデータの 完全性を検証することができます。

Libraブロックチェーンには匿名性があり、ユーザーは実世界の本人とリンクされていない1つ以上のアドレスを保有 することができます。このアプローチは多くのユーザー、開発者、規制当局にとってなじみのあるものです。Libra協会は Libraブロックチェーンプロトコルとネットワークの進化を監督し、また、実用性、スケーラビリティ、規制影響などを 考慮しつつブロックチェーンのプライバシーを強化する新しい技術の評価に継続的に取り組んでいきます。

Libraブロックチェーンについて、詳しくはこちらの技術文書をお読みくださいMoveプログラミング言語および LibraBFT合意プロトコルに関する詳細情報もご覧いただけます。協会はごく初期の段階のLibraテストネットを 付属ドキュメントと共にオープンソース化しました。テストネットは現在も開発中でAPIは変更される可能性がありま す。私たちはコミュニティに開かれたプロセスをお約束しており、ドキュメントの閲覧や、開発、フィードバックの提供を 歓迎しています。

セクション 04

Libra通貨とリザーブ

今世界には、デジタルネイティブで、かつ安定性、低インフレーション性、グローバル規模の普及と交換性といった優れた特徴を備えたグローバル通貨が必要だと私たちは考えます。Libra通貨は、このようなグローバルなニーズを満たし、世界中の人にとってお金がより良く機能することを目指して設計されています。



Libraは、「Libraリザーブ」と呼ばれる実在の資産のリザーブによる十分な裏付けと、Libraを売買する取引所の競争力のあるネットワークによるサポートを有する、安定性のあるデジタル暗号通貨としてデザインされています。つまりLibraの保有者は、自分が持つデジタル通貨を交換レートに基づいて法定通貨に交換できることが高い水準で保証されます。海外旅行時の外貨両替とまったく同じです。新しい通貨への信頼を醸成し広く受け入れられるようにするため、過去に他の通貨が導入されたときも同様のアプローチが取られています。例えば国が発行する紙幣は、金などの物理的な資産と交換できることが保証されていました。ただしLibraの場合は、金による裏付けではなく、安定性と信頼性のある中央銀行が発行する通貨での銀行預金や短期国債など、価格変動率の低い資産の集合体により裏付けられます。



ここで、1 Libraを必ずしも任意の地域通貨で同じ金額に交換できるとは限らないことを強調したいと思います。これは、Libraが単一の通貨に固定されていないためです。裏付けとなっている資産の価値が変動するのに合わせて、任意の地域通貨に対する1 Libraの価値も変動することがあります。しかし、リザーブ資産は価格変動率を最小限に抑えて長期にわたって価値を維持することを目的に選択されているため、Libra所有者にはこの通貨の安定性を信頼できます。Libraリザーブの資産は、地理的に分散しており投資適格信用格付けを有する管理者からなるグローバルネットワークによって保有されるため、資産のセキュリティと分散性が共に保証されます。


実態価値を欠き、それゆえに投機目的で価格が乱高下する既存の多くの暗号通貨とLibraが大きく異なるのは、Libraを裏付けるそのような資産です。とはいえLibraは暗号通貨であり、そのおかげで、この種の新しいデジタル通貨の魅力となっているいくつかの特徴を継承しています。瞬時に送金できる機能、暗号化によるセキュリティ、簡単に国境を越えて資金を移動できる自由などです。友達が世界のどこにいても携帯電話でメッセージを送信できるのと同じように、Libraを利用すれば、瞬時に、簡単に、安価でお金を送れるようになります。



リザーブ資産に付与される利子はシステムの経費をまかなうために使用します。これにより低額の取引手数料を保証し、エコシステム立ち上げのために資金を提供してくれた投資家(「Libra協会」については こちら」を参照)に配当を支払い、さらなる普及と成長を後押しします。リザーブに対する利子の分配ルールは事前に設定し、Libra協会が運用を監督します。Libraのユーザーはリザーブからの利益を受け取りません。


リザーブに関するポリシーやLibra通貨の詳細については、 こちらをお読みください。

セクション 05

Libra協会

「多くの人びとに力を与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」というLibraのミッションを実現するために、LibraブロックチェーンとLibraリザーブには、多様で独立したメンバーからなる運営組織が必要です。この運営組織となるのが「Libra協会」です。独立・非営利・メンバー制の組織で、スイスのジュネーブに本部を置きます。スイスは歴史的に中立的でブロックチェーン技術にも寛容です。協会は中立で国際的な機関であることを目指しており、それゆえスイスでの登録を選択しました。協会の主な仕事は、Libraブロックチェーンの運用を促進すること、ネットワークの推進・発展・拡大を目指す利害関係者(ネットワークのバリデータノード)間での協調と合意形成を促進すること、リザーブを管理することです。


協会はLibra協会評議会によって運営され、評議会は各バリデータノードの代表1名によって構成されます。評議員は協力してネットワークとリザーブのガバナンスに関する意思決定を行います。初期の評議会は 創立者によって形成され、ここには世界各地の企業、非営利組織、多国間組織、学術機関が含まれます。決定事項はすべて評議会にかけられ、重大なポリシー上の決定や技術的な決定には票数の3分の2の合意を必要とします。これはネットワークのBTF合意プロトコルで必要とされる圧倒的多数の条件にならうものです。


協会を通じて、バリデータノードはネットワークの技術的ロードマップや開発目標に沿って足並みを揃えていきます。その意味で、協会は、財団などの形をとってオープンソースプロジェクトを運営管理する他の非営利組織と同様の働きをします。Libraはオープンソースコントリビューターからなる分散型コミュニティの成長によって発展するため、協会は、どのプロトコルや仕様を開発し採用するかなどのガイダンスを確立するのに必要な媒体です。


Libra協会はLibraリザーブの管理組織としても機能します。これにより、Libra経済の安定性と成長が達成されます。協会はLibraを作成(鋳造)および破壊(バーン)できる唯一の存在です。コインを鋳造するのは、認定再販業者が、新しいコインを完全に裏付ける法定通貨の資産と引き換えに協会からコインを購入した場合に限ります。コインをバーンするのは、認定再販業者が、裏付けとなっている資産と引き換えに協会にLibraコインを販売する場合に限ります。認定再販業者はいつでもバスケットの価値と同等の価格でリザーブにLibraコインを売ることができるため、Libraリザーブは「最後の買い手」として機能します。 協会のこれらの活動は、 リザーブ運用ポリシー によって規定、制約され、このポリシーの変更は協会メンバーの圧倒的多数によってのみ変更可能です。


ネットワークの運用開始から最初の数年は、協会の代わりにいくつかの役割を果たす必要があります。バリデータノードとなる創立者の募集、エコシステム立ち上げに向けた資金の調達、Libraの利用を促進するインセンティブプログラムの企画と実施、創立者に対するこのようなインセンティブの分配、協会の社会的事業への助成金提供プログラムの確立などです。


協会のもうひとつの目標は、オープンなIDの規格を開発し、推進することです。私たちは、金融包摂と競争の前提条件として、分散型でポータブルなデジタルIDが必要であると考えます。


Libra協会の重要な目的のひとつは、徐々に分散性強化に向けて移行することです。この分散性により、ネットワークをベースにした開発とネットワーク利用の両方について参入のハードルが下がり、Libraエコシステムの長期的な回復力が高まります。これまで述べたように、協会はLibraネットワークのガバナンスと合意を非許可型に移行するための道筋をつけていきます。協会の目標は、5年以内にこの移行を開始し、それにより創立者への依存度を徐々に減らしていくことです。同様に、Libraリザーブの管理についても、協会への依存度を最小限にすることを目指します。


Libra協会について、詳しくは こちらをお読みください。

セクション 06

Libraの今後

この度、Libraに関する目標を概説するこのドキュメント、および協会とLibraに関するすべての情報のホームとなる libra.org を公開します。これは今後数か月にわたって更新され続けます。また、 Libraブロックチェーンのコード をオープンソース化し、Libraの初期テストネットを公開して、開発者が試用や開発を行えるようにします。

2020年前半に予定されている運用開始までにしなければならないことはまだ多く残っています。

  • Libraブロックチェーン:
    • 今後数か月の間に、協会はコミュニティと協力してLibraブロックチェーンのプロトタイプに関するフィード バックを収集し、それをリリース可能な状態にします。具体的には、プロトコルのセキュリティ、パフォーマ ンス、スケーラビリティと実装を確実にすることに力を注ぎます。
    • 利用者がLibraブロックチェーンを利用できるように、しっかり文書化したAPIとライブラリを構築します。
    • オープンソースの手法を使い、Libraブロックチェーンの背後のテクノロジーを共同開発するためのフレー ムワークを用意します。ブロックチェーンをサポートするプロトコルやソフトウェアに対する変更について 議論やレビューを行うための手順を定めます。
    • ブロックチェーンを詳細にテストします。プロトコルのテストから、ウォレットサービスや取引所などの エンティティと連携したネットワークのフルスケールテストの構築までを幅広く行い、システムが正常に 機能していることをリリース前に確認します。
    • Move言語の開発を推進し、言語開発が安定したら、Libraエコシステムのリリース後にサードパーティがス マートコントラクトを作成するための道筋をつけます。
    • コミュニティと連携して、非許可型のエコシステムに移行する際の技術的な課題を研究し、リリース後5年 以内に移行を始めるという目標を達成できるようにします。
  • リザーブ:
    • 地理的に分散しており調整された管理者からなるリザーブのグローバル管理機関を設立します。
    • リザーブが認定再販業者と取引し、高い透明性と可監査性を保証するための運用手順を確立します。
    • リザーブバスケットの構成を変更する方法に関するポリシーと手順を定めます。
  • Libra協会:
    • Libra協会評議会を、およそ100の、地理的にさまざまな場所に位置する多様なメンバーへと拡大します。 メンバーはすべてLibraブロックチェーンの最初のバリデータノードとして機能します。
    • 現 在 提 案されているガバナンス体 制 に基づいて協 会の総 合 的 な設 立 趣 意 書と規 約 を定 め、 採択します。
    • 協会のマネージングディレクターを擁立し、協力して協会の組織運営チームの採用を続けていき ます。
    • 共同でミッションに取り組む社会的事業パートナーを特定し、協力して社会的事業の諮問機関と プログラムを設立します。

セクション 07

参加の方法

協会は、Libraのグローバルな利用を促進するアプリやサービスの開発者のエコシステムを活性化させたいと考えます。協会が定義する成功とは、世界中のあらゆる個人やビジネスが公正で手頃な方法で、かつ即座に自分の資金にアクセスできるようになることです。例えば、海外で働く人が祖国の家族に簡単に送金できる。大学生がコーヒーを買うのと同じくらい簡単に家賃を払える。これらを実現できたら成功と言えます。

私たちの旅は始まったばかりで、コミュニティからのサポートが必要になります。世界中の多くの人びとのために、Libraができることがあると信じていただける場合は、ぜひこの取り組みにご協力ください。すべての人にとっての金融包摂(ファイナンシャルインクルージョン)を実現するため、ぜひご意見をお寄せください。

  • 研究者やプロトコル開発者の方は、Apache 2.0オープンソースライセンスにより、Libraテストネットや付属ドキュ メントをご覧いただけます。今はまだプロセスの初期段階で、テストネットもまだ開発中のプロトタイプですが、 ドキュメントを読むことや開発、フィードバックの提供は今すぐにでも始められます。現在はプロトタイプの安定 化に重点を置いているため、プロジェクトがコミュニティからの貢献を反映するまでに時間がかかる可能性があ ります。しかし私たちは、コミュニティ指向の開発プロセスを構築し、開発者にプラットフォームを公開することを お約束します。これはリクエストを受け付けるところから始めて、できるだけ早く実現させる予定です。
  • Libra協会について知りたい方は、こちらで詳細をご覧ください。
  • 創立者になることやLibra協会からの社会的事業への助成金の申請に興味をお持ちの組織の場合は、こちらで詳細をご覧ください。

協会は、今後数か月のうちにグローバルコミュニティと連携した取り組みを開始します。また、ミッションの推進の ため、今後も世界各地の政策立案者と協力関係を築いていきます。

セクション 8

まとめ

Libraの目標は、「セキュアで安定性のあるオープンソースブロックチェーンを基に生み出され、実在する資産のリザーブによって裏付けられ、独立した協会によって運営される安定した通貨」です。

私たちの望みは、住んでいる場所や職業、所得にかかわらず、より多くの人が安価でオープンなより良い金融サービスにアクセスできるようにすることです。これを実現するための道のりは長く、厳しく、私たちだけではたどり着けないものです。多くの人の力を集め、この取り組みを中心に大きなムーブメントを生み出す必要があります。世界中の人にとっての夢を実現する取り組みに、ぜひご参加ください。

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  • 2A. Demirgüç-Kunt, L. Klapper, D. Singer, S. Ansar, and J. Hess. The Global Findex database 2017: Measuring financial inclusion and the fintech revolution. World Bank Group, 2018. Accessed: May 15 2019. Globalfindex.worldbank.org. [Online]. Available: https://globalfindex.worldbank.org/sites/globalfindex/files/2018-04/2017%20Findex%20full%20report_0.pdf

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Libra語句データ

  • ブロックチェーン

    暗号通貨を支える技術です。ブロックチェーンとは、1か所ではなくピアツーピアネットワーク上で取引レコードを安全に保管できる技術です。ブロックチェーンを運用するネットワークは、「ノード」と呼ばれる世界中の独立サーバーから構成されます。

  • ビザンチン・フォールト・トレランス(BFT)

    ビザンチン・フォールト・トレランス(BFT)とは、分散型システムで不具合があっても(「ビザンチン」メンバーがいても)安全を保障するための機能です。ビザンチン・フォールト・トレランス(BFT)合意プロトコルは、一部のバリデータノード(最大でネットワークの3分の1)で不正や不具合が起きても正常に機能するようにデザインされています。

  • 合意プロトコル

    合意プロトコルによって、ノードは取引を承認するか却下するかについて集団として合意に達することができます。

  • 暗号通貨

    暗号を使用して金融取引を検証し安全に行うデジタル通貨です。

  • 暗号

    ブロックチェーン技術の鍵である情報の完全性を保護するためのツールです。

  • 分散型

    分散型ネットワークとは、情報を一か所に保存するのではなく、分散したP2Pネットワークに保存するタイプのネットワークです。

  • デジタル通貨

    デジタルの形で使用される通貨の一種です。暗号通貨はデジタル通貨の一種です。

  • 法定通貨

    法定通貨とは、金銭として成立している物体(紙の紙幣や金属のコインなど)であり、多くの場合は政府によって制定されています。

  • 創立者

    Libra協会の創立者は、それぞれがLibraブロックチェーンを運営するバリデータノードとして機能する、信頼性があり、地理的にも業種的にも幅広い組織で構成される集団です。

  • ガバナンス

    ガバナンスとは、ブロックチェーンの分散したノードによって採られる意志決定のアプローチです。

  • Libra協会

    Libra協会とは、Libraエコシステムの発展を目指す独立・非営利・メンバー制の組織です。

  • LibraBFT

    Libraブロックチェーンでは、合意アプローチとしてビザンチン・フォールト・トレランスを採用するLibraBFT合意プロトコルを使用します。詳しくは「合意プロトコル」および「ビザンチン・フォールト・トレランス」を参照してください。

  • Libraブロックチェーン

    ブロックチェーンとは、1か所ではなくピアツーピアネットワーク上で取引レコードを安全に保管できる技術です。Libraブロックチェーンは、スケーラビリティ、セキュリティ、ストレージとスループットの効率性、そして将来の適応性を優先して一から開発されました。

  • Libra Core

    Libra Coreとは、Libra協会が公開するLibraプロトコルのオープンソース実装の正式名称です。このソフトウェアはLibraプロトコルとMove言語を初めて実装したソフトウェアです。

  • Libraエコシステム

    ウォレット、取引所、バリデータ、開発者、ユーザーなど、Libra経済に参加する組織や個人の集合体です。

  • Libraリザーブ

    生成された1 Libraごとに通貨バスケットと資産をLibraリザーブとして保持することで、実態価値への信用を築きます。Libraリザーブは長期的にLibra通貨の価値を維持できるようにデザインされています。

  • マークル木

    マークル木とは、データの完全性と変更を効率的に検証できる認証データ構造の一種です。

  • Move

    Moveは、デジタル資産を安全かつ簡単にプログラミングできるように設計された新しいプログラミング言語の名前です。Moveは、Libraブロックチェーンに独自の取引ロジックやスマートコントラクトを実装するために使用されます。

  • ノード

    ノードとは、ブロックチェーンを運営するコンピューターまたはサーバーです。分散型ネットワークは複数のノードにより構成されます。

  • オープンソース

    オープンソースとは、オリジナルのソースコードが公開され、配信や変更を行えるようになっているソフトウェアを指す言葉です。

  • 許可型

    許可型ネットワークでは、単一の個人や組織がネットワークへのアクセスを管理し、ノードを運営できる個人や組織を監視します。

  • 非許可型

    非許可型ネットワークでは、一定の技術要件を満たせば誰でもネットワークにアクセスしたり、ノードを運営することができます。

  • スマートコントラクト

    スマートコントラクトとは、取引を実行するのに使用できるブロックチェーン上に公開されるコードを指す一般的な言葉です。プログラミング言語MoveはLibraブロックチェーンにスマートコントラクトを実装します。

  • 社会的事業への助成金

    Libra協会は、金融包摂を支援するため社会的事業への助成金提供プログラムを立ち上げます。

  • テストネット

    テストネットとは、Libraブロックチェーンソフトウェアの初期プロトタイプのライブデモンストレーションです。

  • バリデータノード

    ブロックチェーンを運用するネットワークは、「ノード」と呼ばれる世界中の独立サーバーから構成されます。バリデータノードとはLibraブロックチェーンを検証する個人や組織で、クライアントからのリクエストを受けて合意、実行、保存などを行います。